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  二つの彩り

 

 音楽に彩りをもたらすもの、それは和声だ。「彩」というその美しい一文字にここ何年も意識を絡め取られている私は、彩りの詰め合わせのような二つの小品を書き上げた。

 

 ところで月?そう、ある夜の入り口、ふと見上げた空、ビルとビルの間に昇ったばかりの、街を煌々と照らしている赤い大きな月から、どこまでも柔らかい光がまるで香油のようにとろりとろりと流れ落ち続けていたのだ。その時の私に、この情景を音にしないという選択肢はなかった。

 

 そして風?うん、去りゆくものはどこまでも美しい。その美しい後ろ姿を一枚の絵のようにまとめておきたいと思い、2018年の私はこの曲を書いた。

 

    

    

    

    

    2018年5月25日 城下町小倉のとある居酒屋にて

    淡い酔いの中に気持ちを遊ばせながら 

                    太田 哲也

 

                 初版あとがきより

I. 十一月の月

II. その風の後ろ姿に

サックス:太田哲也(作曲家)

ピアノ :合馬三郎

作曲 :太田哲也

九州キリスト教会館 2019年2月23日  録音

 

sax                   : Tetuya Ota 

 piano                : Saburou Oma

composition           : Tetuya Ota

Live recording in Kyushu Christian Hall (2/23/2019)

※楽譜はこちら→Banana! Estragada!!

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